これまで日本では、情報社会の危険性を強調して、ICTを安全に使うための知識やスキルを学ぶ「情報モラル教育」が行われてきました。しかし、GIGAスクール構想が着々と進行している今、これまでの「情報モラル教育」ではカバーしきれないことが明らかになり、世界では一般的になりつつある、自らが善しあしを判断しながら賢くICTを活用できる力を身に付ける「デジタル・シティズンシップ教育」に注目が集まっています。
「デジタル・シティズンシップ教育」は幼い頃からスマートフォンやオンラインゲームに慣れ親しんでいるデジタルネイティブ世代の子どもたちに必要な教育であるとともに、GIGAスクール構想を意味のあるものにするためにも、この教育を取り入れることは教育界全体にとって最重要事項といえます。
今回は基礎編として「デジタル・シティズンシップ教育」とは何なのか?情報モラル教育との違いは?「デジタル・シティズンシップ教育」を実践する際のポイントは?など、「デジタル・シティズンシップ教育」を取り入れる前に、知っておくべき基礎情報をお伝えします。
教員、各地域教育委員会、そのほかすべての教育従事者の方々
SPEAKER
坂本 旬 氏
PROFILE
法政大学キャリアデザイン学部教授、図書館司書課程担当。教育系出版社や週刊誌などの編集者を経験したのち、新聞社を中心に雑誌執筆者として活躍。
1996年より法政大学教員。ユネスコのメディア情報リテラシープログラムの普及を目指すアジア太平洋メディア情報リテラシー教育センターおよび福島ESDコンソーシアム代表。基礎教育保障学会理事
東洋経済education×ICTでは本ウェビナーの登壇者、法政大学教授 坂本 旬氏のインタビュー記事を掲載中です。
「デジタル・シティズンシップ」は米国で誕生したといわれています。その内容はインターネットの普及とともに変容してきました。ここでは米国で誕生し現在のデジタル・シティズンシップの内容になるまでの変遷と、急速に日本で注目を浴びたことで生まれた「デジタル・シティズンシップ教育」にまつわる誤解を解説し、正しい「デジタル・シティズンシップ教育」の基礎情報をお伝えします。
日本の教育現場全体でデジタル・シティズンシップ教育の実践が必要な理由について、主に3つの観点「GIGAスクール構想における端末活用に対応した教育」「増加するネットいじめに対し本質的な解決につながる教育」「デジタル社会で生きるための必須のスキルが身に付く教育」から解説いたします。
「デジタル・シティズンシップ教育の必要性がわかっていてもどう授業に取り込めばいいのかわからない」という声が教育現場から聞かれます。デジタル・シティズンシップ教育を教科学習に導入する際、ポイントとなるのは新学習指導要領の土台となっている「ESD(持続可能な社会の創り手を育む教育)」です。なぜESDとデジタル・シティズンシップ教育が結び付くのか、さらにカリキュラムマネジメントの視点から学校授業における実践ポイントを解説します。
※講演内容や終了時間につきましては変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
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