有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #少数異見

日銀にもトイレの設置が必要だ きちんとした出口戦略を

3分で読める 有料会員限定

原子力発電への批判に「トイレなきマンション」がある。放射性廃棄物の処理方法を決めないまま原発を利用する問題点をわかりやすく示している。一般的に、善後策を講じずに進められる無責任な行為にも使われる表現だ。

差し迫った事態に、見切り発車で対処しなければならない状況はある。しかし、とくに国の政策の場合、どこかできちんとした出口戦略を考える必要がある。

念頭にあるのは原発ではない(それも問題ではあるが)。日本銀行による金融政策、中でも上場投資信託(ETF)の購入についてである。2010年に金融緩和政策の1つとして始まった日銀のETF購入は、簿価で35兆円、時価で51兆円を超えるまで積み上がっている(21年3月末時点)。今や日銀は日本最大の株主だ。

国民への譲渡案

日銀の保有額が膨らむにつれ、株式市場の流動性や企業のガバナンスを歪める副作用、株価下落による日銀の財務毀損リスクの増大が指摘されている。だからといって、手仕舞いも難しい。日銀がETF売却に動き出せば、そのこと自体で株価は急落するため大きな損失を被りかねないからだ。

そうした心配から専門家の間では出口戦略が議論されている。一時話題となったのは、日銀が保有するETFを政府が買い上げて国民に譲渡する案だ。提唱者には日銀元理事が含まれ、アジア通貨危機時には香港で似た政策が採られたことがあったというから、あながち荒唐無稽な話ではないらしい。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数