スズキの“おやじ”こと鈴木修会長(85)が、兼任していた社長職を退いた。社長に昇格したのは長男の俊宏副社長(56)だった。
修会長といえば1978年の社長就任以来、会長専任時を含め37年間もトップとしてスズキを率いてきた、カリスマ経営者だ。会長兼CEO(最高経営責任者)として引き続き経営を担うとはいえ、最大の課題とされた後継問題に一定のメドをつけた。
もっとも「次は俊宏氏」との見方は社内外で一致していた。唯一の驚きは、交代が株主総会の4日後となったこと。6月30日の記者会見で修会長は、このタイミングでの交代について、「独フォルクスワーゲン(VW)の問題でございます」と説明した。
スズキは2009年末に提携したVWと独立性をめぐり対立。11年11月には国際仲裁裁判所に提携解消を訴えた。「私自身が(資本提携を)実行した立場ですから、何とか判決が下るまで自分の責任でと思っていた」(修会長)。
近年では、修会長自身、大きすぎる自らの存在感の弊害を感じていたようだ。「ワンマンとか独裁を超えている」「今までは一方通行。新社長になって言いたいことを言える雰囲気になる」(同)。ある取引先部品メーカーの会長は「みんなが修会長任せになっていた」と指摘する。
結局、6月中とみられていた、仲裁裁判所の結論はなし。「ここまで長くなると待ちきれなかった」(修会長)。
「いつかはやらねば」
線の細いイメージがあった俊宏社長だが、「いつかはやらなければならない」との言葉どおりに、腹はくくっている。「社員一人ひとりがお客様の立場で自主的に行動する環境づくりに力を入れる。チームスズキで活動できるよう努力していきたい」(俊宏社長)とワンマンからチーム経営へのシフトを掲げた。
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