メルカリ山田CEO「女子のSTEM奨学金」創設の背景 門戸広げる「抽選型」の選考にした納得の理由

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メルカリ創業者でCEOの山田進太郎氏が今年7月、新たに財団を設立し、STEM(理系)分野への進学を目指す女子高生向けに奨学金制度を立ち上げた。対象となるのは大学の入学予定者ではなく、国内の高等学校理数科、スーパーサイエンスハイスクール指定高等学校、高等専門学校などの女子入学予定者。しかも、ほかの奨学金と異なり、選考はエントリーフォームによる審査と抽選で、厳しい能力主義を取らない点にも特徴がある。そこには山田氏の科学・技術・工学・数学の総称であるSTEM分野で世界的に後れを取っている日本人女子の進出を高校生の段階から支援・促進する狙いがある。

「メルカリ」カリスマ創業者が仕掛ける「奨学金」

メルカリCEOの山田進太郎氏が立ち上げた奨学金制度である「山田進太郎D&I財団 STEM(理系)女子高校生奨学金」は、今年9月30日までをエントリー期間としている。

支給額は国公立進学者で年間25万円、私立進学者で同50万円を想定しており、採用数については、初年度は最大100名程度。支給対象となるのは2022年4月に高等学校入学予定の女子で、日本国内の高等学校理数科、令和3年度スーパーサイエンスハイスクール指定高等学校、または高等専門学校の入学予定者(なお中学校からの内部進学者は除く)となる。

募集概要
・支給金額:国公立25万円/年、私立50万円/年
・対象:2022年4月に高校入学予定の女性
・採用人数:最大100名
※奨学金は22年5月頃指定口座への年額振込を予定。対象は性自認もしくは戸籍上の性別が女性の方。奨学金の対象校はこちら

山田氏は国内の著名起業家の1人だ。早稲田大学を卒業後、ウノウを設立。「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのインターネットサービスを立ち上げ、10年にウノウをZyngaに売却。同社を12年に退社後、世界一周を経て、13年2月メルカリを創業した。フリマアプリを軸に業績を伸ばし、18年6月に東証マザーズに上場し、現在に至っている。同社では外国籍のエンジニアが半数を占めるなど、山田氏はシリコンバレーの著名企業とのグローバル競争を意識した経営姿勢を貫く。

山田氏が設立した一般財団法人山田進太郎D&I財団の「D&I」とは、「ダイバーシティ&インクルージョン」のことで、性別・年齢・人種・宗教などにかかわらず、お互いを尊重し、誰もが自身の持つ能力を発揮し、活躍できる状態を意味し、今後D&Iを日本国内で積極的に推進していくという山田氏の願いが込められている。

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