「お笑いを学べる高校」吉本興業が開校に挑む訳 実は続々、芸能プロが「高校」参入のなぜ
スポーツ紙芸能記者が、「吉本興業高等学院」の開校メリットを伝える。
「お笑いなどの芸能に必要なスキルのレッスンを受けながら、高校卒業資格が取れるというところがミソです。親御さんにも、卒業資格が取れるのなら、と進学を許してもらえる。
お笑いの養成所の中には、中学卒業で入れるところもありますが、そこを出たところで高校の卒業資格は取れません。
よしもとは、ワタナベエンタに続いて、きっちりそのあたりをカバーしたという感じです。3年間でお笑い芸人に向いていないとわかれば、生徒さんも進学や就職活動など路線変更もできるし、吉本興業高等学院は、裏方になる道も模索できるようで、将来を漠然と考えている10代にはうってつけですね」
さらに「ワタナベNオンラインハイスクール」に関しては、こんな見方も。
「オンラインであれば、授業に必要な教室、けいこ場のような空間も必要ない。地方からだって入学できる。コロナ禍で、オンラインを活用する社会の土壌が急速に熟成していますからね。そのあたりが巧みだなと思います」(前出・スポーツ紙芸能記者)
将来のお笑い芸人の育成の場に
先行する渡辺高等学院の次に、芸能界として高等学校を設立した吉本興業だが、4月開校にもかかわらず、この直前の時期での報道。出遅れ感もあるが、関係者はこう漏らす。
「いいんです、このタイミングで。この学校を第一志望に受験勉強をする人は、今年度に限ってはいないということですし、新しくできた学校が第一志望になるのは、どんな特化した学校でも、かなりの実績をつかんでからでしょう。これから全国各地で高校入試があり、そこでうまくいかなかった人の選択肢の1つになればいいんです」
お笑い芸人の卵を取り合う芸能プロダクションの養成所に、新たな開校、新たなスタイルが加わるこの春。
中堅プロダクションが同様の学校の設立、同様のオンラインシステムを構築するには、人材的にも資金的にも追随が難しい“お笑い高校”を舞台に、将来のお笑い芸人の育成が始まる。
(取材・文/薮入うらら)
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