キリンとサントリー「テレビの掟破り共演」の訳 テレビ東京のドラマで一緒にスポンサーに
この”共演”は、第1話放送直後からツイッターなどのSNSで話題となった。番組内では何の説明もないが、アナウンサーが提供社名を読み上げる際、「この番組は、どうにか共演OKになったキリンとサントリーの提供でお送りしました」と伝える。
また両社のロゴが画面内での上下位置や大きさなどを競い合うような動きを見せ、それは放送回が進むにつれてエスカレートしていく。市場で激しく競合する「共演NG」の2社を共演させるという意図的な演出であり、ドラマの設定とリンクさせた「遊び心」であることがわかる。
発案したのは秋元康氏
この斬新なアイデアは企画・原作の秋元康氏の発案だ。さまざまな業界にライバルと目されている企業が存在するが、そんな会社同士が番組提供で「共演」したら面白いという話が企画会議で出されたという。
それを受けてテレビ東京営業局も奮闘。競合2社が相乗りする前代未聞の番組提供を実現させた。
番組プロデューサーである稲田秀樹氏は次のように振り返る。
「今回、企画趣旨に共鳴した当社の営業局が非常に頑張ってくれた。テレビ業界における広告の新しい形を模索し、それをスポンサーに提供できないかと彼らも常々、考えていたようです。秋元さんにもさまざまなアドバイスをいただきながら、『共演NG』をきっかけとして具体的な発想が生まれたと言っていました。
おかげさまでドラマ以上に広告企画の部分が話題になってしまいましたが(笑)。お決まりで流している提供ゾーンでも『発信』の場になりうる。そんな可能性を示せたことはよかったと思います」
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