昆虫農場は世界の「タンパク質危機」を救うか

タンパク質と消化しやすい脂肪がたっぷり

ここは生ゴミ廃棄場ではない。「昆虫農場」である(写真:ロイター/Ben Nelms)

[ラングレー(加ブリティッシュコロンビア州) 13日 ロイター] - バンクーバー郊外の倉庫に10段も積み上げられた大きなアルミ容器のなかで、ミズアブの幼虫が何層にも重なってうごめいている。固くなったパンや腐ったマンゴー、熟しすぎたマスクメロン、しおれたズッキーニが幼虫の餌だ。

だが、ここは生ゴミ廃棄場ではない。「昆虫農場」である。

ローストピーナツのような香りのする茶色の粉に

続々と誕生しつつある昆虫養殖企業の1つ、エンテッラ・フィードは、昆虫を加工して、魚や家禽(かきん)のための飼料、さらにはペットフードまで生産する予定だ。肥育が完了したミズアブの幼虫は、炙って乾燥させ、袋詰めにするか圧搾して脂肪分を抽出したうえで粉砕し、ローストピーナツのような香りのする茶色の粉にする。

これがミズアブの幼虫(写真:ロイター/Ben Nelms)

まだ小規模ではあるが、成長しつつある昆虫養殖産業は注目を集めており、年商4000億ドル(約43兆円)規模の動物用飼料産業における複数の巨大企業から出資を得るようになっている。たとえば、米アグリビジネス大手カーギル[CARG.UL]や、飼料や農場向け機械・サービスを提供するウイルバー・エリス、さらには穀物加工機械を製造するスイスに本拠を置くビューラーなどだ。

ファストフード大手マクドナルド<MCD.N>も、大豆タンパクへの依存度を減らすため、養鶏飼料としての昆虫活用を研究している。

マクドナルドで持続可能なサプライチェーンを担当するマネジャーのニコラ・ロビンソン氏はロイターに対し、「この画期的な取り組みは現在、概念実証の段階にある」と語った。「今のところは心強い結果が出ており、われわれは今後の研究に支援を続けることを約束している」

次ページ代替タンパク源の1つ
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • CSR企業総覧
  • 女性の美学
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大論争! 財政再建か財政拡張か<br>消費増税延期論やMMT台頭も

株価急落と国内景気の減速で、消費増税の延期論が勃発した。根強く残る財政拡張派の主張は正しいのか。世界的な低金利の継続で台頭したMMT(現代貨幣理論)を含め、争点を検証する。小峰隆夫氏ら4人のエコノミストによる座談会も収録。