フランス大統領選を投票率から直前予想する

マクロンかルペンか、4候補が大混戦だが…

混戦模様の中、わずかにリードするマクロン氏(写真:ロイター/アフロ)

いよいよ23日日曜日に迫ったフランス大統領選の初回投票。4候補が世論調査の誤差の範囲内でひしめき合う大混戦となっている。誰も過半数を取れなければ上位2人での決選投票になる。どの候補にも決選投票に進出するチャンスがある。

最新の世論調査では、社会党オランド政権で経済・産業・デジタル担当相を務めた若手・改革派で中道独立候補のエマニュエル・マクロン氏が、選挙戦の最終盤に来て、ややリードを広げている。わずかの差で追う極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン候補の支持層は、「確実に投票する」と回答する割合が多く、票は固そうだ。世論調査で捕捉しきれない"隠れ極右支持者"の存在も指摘され、決選投票への切符を手にする可能性が高い。

投票直前に相次ぐテロ事件やテロ未遂事件が発生したことは、テロ・治安対策への有権者の期待が大きいルペン候補や、首相や閣僚経験者で保守派の重鎮・共和党のフランソワ・フィヨン候補に有利に働きそうだ。2015年に起きた新聞社襲撃テロ事件やパリ同時多発テロ後にルペン候補の支持率が目立って上昇しなかったとの指摘もある。当時は国難に団結して立ち向かう姿勢が好感され、低迷していたオランド大統領の支持が持ち直したが、今回の選挙戦は現職大統領が不在。フランスの主要メディアは大統領選の行方とともにテロ事件を大々的に取り上げており、投票日直前のテロ発生は、やはりルペン候補やフィヨン候補の追い風になると見ておいたほうがよいだろう。

親EUのマクロン、懐疑派のルペン、メランション

当初、最有力候補だったフィヨン氏は、勤務実体のない妻や子供に議員スタッフの給与が支払われていたとの金銭スキャンダルが浮上し、3番手に失速したが、決選投票への進出可能な圏内のまま投票日を迎えることになりそうだ。組織票がしっかりしているうえ、高齢者が支持層の中心であるため、インターネットが主流の世論調査が示唆する以上に健闘する可能性はある。また、左翼党のジャン=リュック・メランション候補の勢いもあなどれない。左派有権者の社会党離れの加速とテレビ討論会での好パフォーマンスにより、この1カ月で支持率を8%ポイント余りも伸ばしているのだ。

EU(欧州連合)との関係でみると、4候補のうちマクロン候補が最も親EU的だ。フィヨン候補も基本は親EU派だが、国境管理や対ロシア関係ではEUとやや距離を置く。残りの2候補はEU懐疑派で、メランション候補は特にEUの財政規律に強硬に反対し、ルペン候補はことあるごとにEUに批判的な主張を展開する。両候補ともに、EU改革が実現しない場合、フランスのEU離脱(フレクジット)の是非を問う国民投票を実施する可能性を示唆している。

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