平均年収「東京都ワースト500社」ランキング 平均年収が400万円未満の上場企業は83社

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今回はワースト500社ランキング(写真 : HIT1912 / PIXTA)

東洋経済オンラインでは、『会社四季報』の本社所在地データを使い、上場企業を全国7地域別に分けた最新の平均年収ランキングを配信している。今回紹介するのは、東京都に本社がある企業のうち平均年収が低い500社のランキングだ。東京都に本社を置く上場企業は1748社あるが、上位500社の情報だけでは、東京都全体の傾向を示すことができないため、下位の500社についても配信したい。東京都に本社がある上場企業のうち、平均年収が400万円に満たない会社は83社だった。

ランキングには、1年前時点と比較した増減額を併載している。平均年齢もランキングに加えているほか、持ち株会社体制の会社には、「純」のマークを付けた。各企業の平均年収と年齢は、2016年8月期から2017年7月期の有価証券報告書に記載された単体の数字を用いている。単体の従業員数が20人に満たない場合や、直近の平均年収が有価証券報告書に開示されていない会社は、対象外としている。調査時点を合わせるため、本社所在地は、『会社四季報』2017年4集調査時点のものとした。

会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。東京に本社を置きながらも全国に幅広く展開していたり、東京以外の特定地域に製造拠点が集中していたりする企業では、地方の安い給与水準に全体が引っ張られているようなケースもある。

若手が多いために平均年収が低めに出ている場合も

『会社四季報 2018年1集』(東洋経済新報社)。上場企業各社の財務、各種基本情報のほか、平均年収なども網羅。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

東京都内でワーストランキングの上位になったのは、平均年収の開示が独特な派遣・請負業界と、若いスタッフが多い企業となった。

ランキング1位は、製造派遣・請負を行うnmsホールディングスで、平均年収は286万円。都内で唯一300万円を下回った。同社は従業員の平均年収として、一般職員と現場職員、それらの合計の3つを開示している。ランキングでは、なるべく単体の従業員の実情を反映した金額で比較したいと考えているので、このうち合計の平均年収を採用した。こうした開示は派遣・請負が主力の企業に特徴的なもので、業種間で比較する際には注意が必要だ。

ワースト2位はサマンサタバサジャパンリミテッドだ。若いスタッフが多い会社の代表格で、平均年齢は全上場企業の中で最も若い26.7歳。若い女性に人気のバッグやアクセサリーを展開する会社で、有名人が出演するテレビCMでもおなじみだ。平均年収は、前年に比べて30万円減の313万円にとどまった。平均年収が減少したのは、不採算店の整理に伴い業績が低迷したことが影響していると思われる。ただ、今期に入ってからは客数・粗利率も改善傾向にある。平均年齢が低いことを考慮すると、同業と比べ給料水準が著しく低いとはいえなさそうだ。

3位の田谷は前年に比べ7万円増の315万円。全国で、美容室チェーン「TAYA」や低価格業態の「Shampoo」も展開する。若いスタッフが多いヘアサロンのイメージにたがわず、平均年齢は29.8歳だった。ランキング上位企業の平均年齢に着目すると、20代という企業も珍しくない。この点は考慮してみる必要がある。

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