社員と役員の年収格差が大きいトップ500社 1位LINEは165倍!10倍以上は105社

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ランキング1位はあの有名企業だ(撮影:尾形 文繁)

11月も残りわずか。12月に入ると一気に年の瀬ムードとなる。冬のボーナス(一時金、賞与)をもらい、今年の年収がだいたい確定する時期だ。そんな年収も上場企業の役員となると、ケタ違いになるケースがある。

欧米では高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されるが、日本企業の役員報酬も近年は高額化している傾向がある。東洋経済オンラインは、役員報酬の平均額と従業員の平均賃金の格差に注目してランキングをまとめた。役員が従業員の何倍の年収を得ているかを倍率にした「年収格差」をつくり、格差が大きい順にランキングした。

ランキングに使用した役員平均報酬は、取締役(監査等委員会設置会社の監査等委員も含む)と、執行役の平均額で算出したもの。監査役設置会社の監査役や社外取締役の報酬額は含んでいない。定額部分と業績連動部分、退職慰労金の全てを合算した合計額で計算している。単年度ごとに調査しているため、調査年度に取締役の退職があると、例年に比べて平均額が上昇する場合がある。

昨年の調査では未上場だったために対象外だったLINEが、初登場で1位となった。役員平均報酬の12億2680万円は、従業員平均年収の743万円の約165倍になる。社内取締役5名のうちトップ3名の報酬が1億円以上で、特にCGO(チーフグローバルオフィサー)の慎ジュンホの役員報酬額は57億4021万円で、全体の平均額を引き上げている。CEO(チーフエグゼクティブオフィサー)の出澤剛氏は1億4526万円、CSMO(チーフストラテジー・マーケティングオフィサー)の舛田淳氏は1億649万円だった。

昨年に続いて2位は、PC向けオンラインゲームで知られるネクソンで、3億3833万円。代表取締役のオーウェン・マホニー氏の報酬は、7億6600万円だった。ネクソンの順位は変わらないものの、昨年の3億6266万円からは2433万円の減少となった。減少したのは、前期に退職慰労金を受け取った役員が含まれていたことが大きく、この退職慰労金分を除けば横ばいの水準だ。直近は中国でオンラインゲームの「アラド戦記」が好調で、2017年12月期は業績好調が見込まれるため、今後は報酬額が増加する可能性がある。

有名経営者が属する企業も上位にランクインしている。ランキング3位はファーストリテイリング。社内取締役はCEOの柳井正氏のみで、2億4000万円の役員報酬だった。日産自動車は平均報酬額が2億4350万円で、従業員の29.84倍となる4位。毎年、注目される代表取締役会長のカルロス・ゴーン氏は10億9800万円で、昨年より2700万円の増額となった。

役員報酬平均1億円超42社、格差10倍以上は105社

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複数年で比較すると、2011年度の年収格差は従業員平均年収の3.89倍だったのに対し、2017年度は4.39倍へと0.5倍ほど拡大した。2011年度から2017年度にかけては取締役・従業員ともに賃金は増加しているが、その増加率に差があったことが影響している。

従業員平均年収は570万円から602万円に約5.6%の増加率だった一方、役員平均報酬は2219万円から2644万円へと約19.2%の増加率で、大きく上回っていた。2時点の単純な比較からも格差が拡大しているという実態が読み取れる。

取締役の平均報酬額が1億円を超えた会社は42社、従業員と役員の平均に10倍以上の格差がある会社は合わせて105社だった。

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