「チョコモナカ」のパリパリ追求がスゴすぎる 品質改善続け、販売数は17年連続で過去最高
8月初旬、炎天下の神奈川県大和市。「チョコモナカジャンボ」「アイスボックス」を製造する、森永製菓のグループ会社・森永エンゼルデザートの大和工場ではフル生産が続いていた。
「あの資材がない、あの原料がなくなりそう、って話がどんどん来る。大忙しだ」と生産管理を担当する兼目一氏は笑う。今年の夏は6月中旬から9月中旬まで週7日、休みなしの稼働が続く(設備メンテナンス休止を含む)。
チョコモナカジャンボができるまで
森永製菓はこの大和工場と佐賀県の鳥栖(とす)工場との2カ所でアイスの生産をしている。同社の冷菓部門の売上高は2017年度に370億円、チョコモナカジャンボはそのうちのおよそ半分を稼ぐ。
チョコモナカジャンボは1972年に販売を開始した看板商品で、アイスの表面を覆う、モナカ皮とアイスの中の板チョコの「パリパリッ!」感が最大の特長だ。アイスモナカでは圧倒的なシェア首位を誇る。年間の販売個数は1億8000万を超え、17年連続で過去最高を記録しているという。大和工場では約6割を生産し、首都圏を中心に東日本への供給を担っている。
工場を見学してみると、製造工程から「パリパリッ!」への徹底ぶりがうかがえる。
まずはモナカが整然とラインの上を流れていき、内側にチョコレートがかけられる。チョコレートでモナカをコーティングするのは、染み出したアイスを吸湿してしまうのを防ぐためだ。モナカ全体に、均一な薄さでチョコをかける方法は企業秘密だ。
「モナカの口溶けが良いということは、それだけ吸湿しやすいということ。口溶けがよくて吸湿もしにくいモナカの研究は10数年続けていて、まだまだ改善していきます」(兼目氏)
チョコレートをかけられたモナカが、機械から押し出されたアイスを受け止めると、すぐさまアイスの表面にチョコレートがかけられる。「中央に入っているのが板チョコだと思っている方も多いですが、もともとは液体です」(兼目氏)。
板チョコのように常温で固体になっている状態だと、周りのアイスよりも融点が高いため、食べた際にチョコだけが口の中に残ってしまう。チョコの種類もコーティング用とは別物。パリパリッ!感が際立つように作られている。
最後に、チョコレートが中央になるようにさらにアイスを乗せ、別工程からやってくるチョコでコーティング済みのモナカを上からかぶせれば完成だ。人の目による検査を無事クリアし、袋詰めされた製品は、マイナス30度以下の冷凍庫で保管され、翌日までに工場から出荷される。
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