「こっちは真剣に婚活しているんですよ! 見合いのお茶代もデート代も、カネを払うのはいつも男。結婚する気があるんだかないんだか、気持ちがクルクル変わる女の気まぐれに付き合わされていたら、時間の無駄、カネの無駄、本当に疲れますよ!!」
月1面談にやってきた会員の内田則雄(44歳、仮名)は、ソファに腰をかけるなり声を荒らげて言った。入会してお見合いをスタートさせてから3カ月が経つ。いつも温和で笑顔を絶やさず、前向きな発言が多かった彼が、こんなふうに不快感をあらわにしていることに、婚活の不調ぶりがうかがえた。
断られた理由が、理不尽で納得できない
則雄は、バツイチで、身長172センチ、痩せ型、見た目も悪くない。年収も680万円あり、ローンは支払っているものの、1時間弱で都心に出られる場所に一戸建ての家を購入していた。普通ならいくらでもお見合いが組めるタイプだ。しかし、彼のウィークポイントは、別れた妻側に8歳になる男の子がいることだった。
婚活市場において、40代のバツイチは決してハンデにならない。むしろ結婚経験があったほうが安心される。これは男女ともにいえることだが、中高年の初婚者は、自分のライフスタイルが確立されている。そこにきて結婚への理想があり、それを変えようとせずに相手と向き合おうとする傾向にある。また、異性と深く付き合った経験がない人もいる。そこへいくと再婚者は、失敗から学んでいることもあり、結婚を現実としてとらえ、結婚に対する考え方に幅がある。
ただここに子どもがいるとなると、とたんに敬遠されるようになる。養育費、進学時の費用、将来的には相続の問題が出てくるからだ。また、心理的に、自分はかかわっていない、しかし相手とは血がつながっている子どもがこの世に存在することに複雑な思いがある。ことに初婚女性の場合、「バツイチ男性はいいが、子どもがいる人は嫌」という人が多い。
その厳しい現実に、則雄も直面していた。入会するや30を越えるお申し込みをかけたものの、なかなかお見合いが組めなかった。ウェブサイトのお申し込みでは会える確率が少ないと感じた彼は、積極的にパーティにも参加するようになった。
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