大停電を回避せよ! 夏目幸明著

大停電を回避せよ! 夏目幸明著

大停電(ブラックアウト)だけは絶対に避けなければならない。少なくとも電力会社はみなそう考えているが、それがメディアで取り上げられることはめったにない。フリージャーナリストの著者は、執拗に取材を重ねて発電の第一線で働く人たちの体験や意見を、オフレコの部分まであえて記していく。中部電力の老朽火力(武豊二号)が解体目前から再稼働へと駆り出され予備率ぎりぎりを乗り切った話が、地味だが看過するわけにいかない、大停電を考える格好の素材としてまず登場する。

原発や火力に携わる人たちの本音が伝わってくる一方で、自然エネルギーの厳しい実情もリポートされる。太陽光発電が増えるほど大停電のリスクは高まるという指摘は原発ゼロとどう折り合いがつくのか、高コストと併せ理想論では済まない難しい現実がある。終章は原発安全対策を進める現場の熱い報告。稼働と廃炉のいずれになろうとも安全確保は優先される課題として貴重である。(純)

PHP研究所 1470円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
カジノ解禁法があぶり出す<br>ギャンブル依存症の恐怖

経済の起爆剤として期待がかかるカジノ法。一方で、ギャンブル依存にも注目が集まる。依存症者がつぎ込んだ額は平均1200万円超。意志の問題ではなく病気である。その実態に迫る。