土光敏夫、松下幸之助に匹敵する経営者・西山弥太郎--『鉄のあけぼの』を書いた黒木 亮氏(作家)に聞く

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──昭和20年代を描いた経済小説は珍しい。

その時代の日本はがれきの中にあり、大変な時代だったが、それでも日本人は生き生きとして元気だった。「世界一の設備を造るのなら大賛成」と応援する通産官僚、「もはや矢は弦を離れた。見放すことはできない」と全力支援する銀行家、「2~3年川鉄は苦しむ局面があっても、そのときに見殺しにはしない」と言い切る同業他社。志があった時代だ。20年代は意外と経済小説の舞台になっていない。次の小説でもこの空白の20年代を書きたいと思っている。

(聞き手・本誌:塚田紀史 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年8月11-18日合併特大号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

くろき・りょう
1957年生まれ。早稲田大学法学部卒業、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。銀行、証券、商社に23年余勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融などの案件を手掛ける。2000年に『トップ・レフト』で作家デビュー。英ロンドン在住。


『鉄のあけぼの 上』 毎日新聞社 1575円 上302ページ
  


『鉄のあけぼの 下』 毎日新聞社 1575円 下293ページ
  

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