地元で結婚したい人が取るべき「2つの行動」 最高に「しっくりくる」人は近くにいる!

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ただし、留意点が2つある。ひとつは、よき客になることだ。同じ常連客であっても「いろいろしてあげたくなる人」と「客だから応対はするけれど、個人的には付き合いたくない人」に店側の気持ちも分かれるのが普通だろう。店主に疎まれるような人がその店で良縁に恵まれる可能性は低い。加奈子さんは内輪の忘年会に呼ばれるほどの「上客」であったため、啓一さんとの関係を温めることができたのだ。

もうひとつの留意点は、できればオープンしたてのお店に通うことだ。老舗の人気店で今さら馴染みの客になるのは難しいが、同世代が新たに開いたお店などでは店主や他の客と親密な人間関係を築きやすいと思う。

結婚して「日々成長している」と感じる

好奇心と成長意欲が旺盛で、結婚するまでは仕事と趣味に注力してきた加奈子さん。出産を機に会社を辞めて専業主婦をしている現在も「日々成長している」という実感があると言い添えた。

「結婚した後もしばらくは独身時代の感覚を引きずっていました。好きなものをどんどん買っちゃったり……。でも、啓一さんにお金の使い方も教えてもらっています。将来のために貯金をしていかなければいけないんですね。徐々に『結婚生活ってこういうものなんだ』とわかって来た気がします。子育てはさらに勉強の日々です。私は運動神経がすごく悪いのですが、息子は遊具が好きで高いところまで登って行ってしまいます。私の弱いところをわざわざ突かれている気がしますよ(笑)」

赤の他人と出会って、誰よりも親しく大事にし合う関係を結び、生活の大半を共有するのが結婚だ。理想像を追い求めたい一方で、これ以上ないほどリアルな判断と行動が求められる。

知的で活動的だがどこかフワッとしたところがある加奈子さんのような人は、結婚とは遠い場所で飛び回っていることが多い。喫茶スロースのおかげで運良く啓一さんと巡り合うことができた加奈子さん。彼女の現実生活は結婚後にスタートしたのかもしれない。

(取材協力:喫茶スロース)

 

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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