バンコク銀行を支える日本人バンカーの正体 日系企業取引で断トツ、大洪水にもめげず
2015年12月31日、ASEAN経済共同体(AEC)が発足する。総人口6億人、GDP1.8兆ドルの「単一市場」の輝かしい誕生だが、期待と不安が交錯する。広大な中間層が着実に購買力を高める一方、足下では中国失速が各国の経済に影を落とす。
新しいダイナミズムの中、日本とアジア、日本企業とアジアの関係はどう変わっていくのか。そして、日本と日本人はアジアからどう見られているのか。
日系企業4500社が進出するAECの中核、タイで活躍する、小澤仁バンコク銀行副頭取に話を聞いた。小澤氏はバンコク銀行を日系企業取引における断トツの地位に仕立て上げた立役者である。
8つの分野のサービスをワンストップで提供
――バンコク銀行はタイに進出した日系企業との取引で最先頭を走っている、と聞いています。
バンコク銀行は「日本企業部」という専門の部署を持っています。バンコクに進出している日系企業は4500社。うち3000社が私たちのお客様です。狙っているのは4500社全部とお取引すること。日本企業部は現在、日本人30人、タイ人40人の陣容だが、人が足りない。まだまだ増えていくと思います。
私たちの強みは、預金、貸し出し、貿易、キャッシュマネジメントサービスなど8つの分野のサービスをワンストップでやっていること。併せてコンサルタントや保険業務、さらに進出企業の従業員の方々の相談にも乗る。一度、取引していただくと、お客様はもう出て行かない。当然のことをきっちりやっているだけですが。
ただ、少し具体的にお話しすると、例えば、コーポレートクレジットカード。 何にどれだけ使ったか、特定の店ばかり使っていないか、不正はないか、瞬時に分析できるツールをオンラインで提供しています。細かいんですよ。そういうものの積み重ねです。
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