フィンテック「決済革命」で銀行はどうなるか 急拡大する新金融サービスの光と陰
ITとの融合が起こした決済革命
まず、いくつかのフィンテック新決済サービスを見てみよう。
米国の「PayPal(ペイパル)」は筆者も使用しているが、これは電子メールアドレスとインターネットを使った代表的な決済サービスである。PayPal口座間やクレジットカードでの送金や入金を行う。インターネット通信販売・オークションのeBayに買収されたが、2015年に独立した。特にネット上で店舗や個人から買物をする際、カード番号を相手に通知せずに決済ができるサービスが好評で、会員は2億人を超えている。
中国の「Alipay(アリペイ:支付宝)」は、中国のネットショップに欠かせない決済インフラになっている。AlipayはEC(電子商取引)最大手のタオバオ(淘宝)と同じ、アリババ集団(グループ)に属する会社である。タオバオで商品を購入する際はAlipayのアカウントを使用する。しかもAlipayでは送金も可能で、サービス利用者は8億人を超えている。顧客の代金を一時的に預かり、商品到着を顧客が確認してから決済するエスクローサービスが人気である。配送を確認してから決済することを実現し、配送事情がよくない中国での電子商取引に拡大に貢献した。
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