これが真実!「部活をやる子は勉強ができる」 最初の「親の働きかけ」で両立は成功する

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なぜなら、部活動をやらずに家にいても勉強もせずに、ダラダラしていれば何も生産的ではありません。しかし部活動をしていれば、運動部であれば体を動かし鍛えることができますし、人間関係も学べます。部活動で勉強する時間が限られるため、集中的かつ効率的な勉強をするようになることもあります。

このように部活動で得られることは多いものです。ですから、今まで私が指導してきた生徒には、「部活動をしている生徒の方が、成績が良かったという傾向」がありました。

しかし、ここで重大な点を認識しておかなくてはなりません。これから申し上げることが成立していなければ、上記の内容は“逆転する”のです。つまり、「部活動をやればやるほど成績が下がる」という状態になるのです。それは次のような2つの状態になっているときです。

1.練習が当人にとって激しすぎて、家では一切勉強が手につかない状態

このようなケースは今までたくさんありました。特に中1あたりでは、それまでの小学校の楽な生活から、忙しい中学生活に代わり、そこに部活が加わるのですから、それは大変です。部活がある程度大変さであるのは、当たり前なのですが、時折とても激しい部活があります。

そのようなとき、生徒は、勉強を捨てるか部活を捨てるかという選択に迫られるようで、不思議なことに、90%の確率で生徒は勉強を捨てます(両立という選択はなぜかありません。世の中に出れば両立だらけであるにも関わらず……)。

勉強を捨てるとは、成績が落ちても部活を頑張ると決めてしまうということです。そのような事態になるとき、私は次のような会話を生徒としてきました。

私:「今回の成績、結構落ちているけども、どこに原因があると思う?」
生徒:「あまり勉強しなかったことにあると思います」
私:「なぜ、勉強しなかったの?」
生徒:「部活で忙しくて、勉強する時間がありませんでした」
(どれぐらい時間がないかを2人で検証してみて、確かに時間がとれない状態であることが判明した後)
私:「君はサッカー部だったよね。部活は確かに心身ともに成長させてくれる活動には違いない。しかし、勉強に影響が出るのであれば、君にとっての部活動は考えなくてはいけない。学校には、部活をするために行っているのか、勉強をするために行っているのか。
教育課程からみて授業は必須であるけども、部活は必須ではないよね。だから当然、部活のために学校に行っているわけではない。本当は両立することがいいのだけれども、勉強か部活かという2者択一だとしたら、迷わず、勉強を取るべきだと思う。もしJリーグに入ってプロを目指すのであれば別だけど」

 

この話は、生徒にとっては時に結構きつい話になります。「(楽しくやりがいをもってやっている)部活より(必ずしも今楽しくない)勉強を取れ!」と言っているのですから。

もし、部活を取るというのであれば、私は「ではプロを目指さなくてはならない」といいます。その覚悟ができないのであれば、勉強を捨ててはならないといいます。

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