川崎汽船の株主総会は、前期無配にもかかわらず、波乱なく粛々と69分で終了

川崎汽船の株主総会は、前期無配にもかかわらず、波乱なく粛々と69分で終了

海運大手・川崎汽船の定時株主総会が、6月26日午前10時から、東京都千代田区平河町の海運ビルで開催された。

議決権を行使できる株主3万8323人(議決権個数76万0300)に対し、総会に出席した株主は書面、ネットで議決権を行使した株主を含めて1万1888人(同47万5117)。監査役からの報告の後、映像とナレーションによる事業報告を約15分間行い、朝倉次郎社長が新中期経営について説明した。議案の上程と説明を経て、10時34分頃から株主からの質問を受け付けた。

財務体質について、新規事業の状況について、アジア−欧米間の荷動きについて、株価水準についてなど質問内容は多岐にわたったが、朝倉社長をはじめ、村上英三専務、吉田圭介専務、鈴木俊幸常務、鳥山幸夫取締役らが、代わる代わる回答した。

決議が行われたのは、質問がほぼ出尽くした11時06分頃。議案は、剰余金処分、取締役選任、監査役選任、買収防衛策更新についての4議案。4議案とも、拍手を持って確認され、11時09分につつがなく総会は終了した。所要時間は69分。昨年の総会は77分だった。

主な質疑応答の概要は以下の通り。

Q:財務体質の強化策についてどのように考えているか。

前2012年3月期はリーマンショック前に決定した新造船の支払いが多かった。財務体質を強化するためには、期間利益を増やして借り入れを減らしていくことが基本だと考えている。

Q:海運業は顧客から仕事を受注するのを待つ受け身型であるように見えるが、提案型営業は行っているのか。

かなり昔のことだが、日本から自動車輸出を始めた初期には普通の船を使って完成車輸送をしていた。それでは効率が悪いので、川崎汽船がトヨタ自動車に対して自動車専用船の提案を行い、今日のような大量の自動車輸送に対応できる先駆けとなった。こういう歴史をふまえて、今後も顧客に対して提案営業を行っていきたい。

Q:事業報告書を見ると、今13年3月期について「新規事業の稼働等の改善要因」があると記載されているが具体的に説明して欲しい。

ブラジル沖の深海底で原油掘削プロジェクトが進んでいる。そこで使うドリルシップを川崎汽船と日本郵船が共同で運航する。新しいドリルシップが竣工し、ブラジル沖で運航を開始した。

Q:株価水準が、日本郵船や商船三井といった同業他社と比較して低いようだがなぜか。

株価は業績だけに左右されるものではないが、株価には毎日大きな関心を持って見ている。(株価が)低いので申し訳なく思っている。株価を上げるためには、業績をよくして強い財務体質にすることが大切だ。徹底した事業の構造改革を行う。コストを削減して不採算事業からは撤退し、会社を筋肉質に変えていく。

Q:新造船の竣工ピークはいつになるのか。

10年、11年が山だった。12年、13年、14年は徐々に減っていく。業界全体でも同じ傾向だ。

Q:ユーロ安が進んでいるが、業績への影響はどうか。

川崎汽船の場合、ユーロ建ては支払いの方が多いので、ユーロに対して1円円高が進むと年間1億円程度の利益押し上げ効果がある。ただし、大局的に見ると、ユーロ高の長期化によって欧州向け荷動きが減少するようなことがあれば、ボディブローのように響いてくる。

(広瀬 泰之 =東洋経済オンライン)

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