利用者数4億人、グリーが中国で手を結ぶ中国有数のネット企業・騰訊(Tencent)の実態

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最近はさすがに騰訊のモラルを問う声が、結構あがっている。他社のゲームにそっくりなゲームを騰訊のプラットフォームで出して訴えられなければいいのだが。

そんな騰訊が最近よくアピールしているのはモバイルだ。日本のほうがスマートフォンの普及率は高いだろうが、中国のほうが勢いは感じる。
 
 騰訊はやはり中国国内の人気アプリに似ているアプリをリリース(しばしば訴えられている)しているほか、最近では、大手セキュリティソフト会社から分かれたベンチャー企業「小米」のスマートフォン「小米手机」が数百万台単位でヒットしたことを受けて、騰訊でもスマートフォン「QPhone」をリリースしようという話が出ている。
 
 もし出した場合、QQのアカウントを持っていることでどういうアドバンテージがあるのか、その仕掛けが気になるところ。たとえばGREEと組んだのだから、GREEのゲームが遊べる仕掛けが最初からあるようなら、面白い。

騰訊は「二番煎じばかり出して、圧倒的なユーザー数を武器に、後出しでトップシェアを取りにいく」ことが特徴。ブログしかり微博しかり。一方で、「騰訊がリリースすれば、一気にライトユーザーも新サービスを利用するため、ネットユーザーの平均年齢が低い中国ではデジタルネイティブのレベルが底上げされる」ともいえる。
 
 そういう意味で、騰訊は“パクリ疑惑”は絶えないものの、中国市場で無視できないネット企業であるのは間違いない。GREEが騰訊の勢いに乗っかることができれば、多くのユーザーがGREEのゲームで遊ぶことになろう。


■スマホでもQQは定番アプリ


■さまざまなサービスを提供する

山谷 剛史 やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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