三越伊勢丹、免税品を除いた売り場の実態

大西社長、「消費の状況はよくない」の真意

三越銀座店の2015年4~9月期における免税品売り上げシェアは27%に達した(撮影:尾形文繁)

「消費の状況はよくない。下期も厳しい」

百貨店最大手・三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は、決算説明会の場で、同社の置かれた市場環境を厳しい表情で語った。

中間期(2016年4~9月期)の業績自体は好調だった。売上高は前年同期比5.5%増の6139億円、営業利益に至っては同48.6%と大幅増の145億円で着地。2008年4月に三越と伊勢丹が統合して三越伊勢丹HDが誕生して以来、中間期の営業益は2期ぶりに過去最高を更新した。

免税品を除くと、売り上げの伸びはわずか

しかし、好調な業績の内訳をひも解くと違った景色が見えてくる。同社の業績を牽引したのは、ひとえに訪日中国人客による免税品の購買だった。上期に免税品売り上げは前年同期比約3倍の301億円に拡大。その影響を除くと、国内百貨店の売り上げの伸びは2%にとどまった。

前期は4月に実施された消費税の増税による影響で特に上期は急激に消費が落ち込んだ。「(ハードルが下がっていたので)今期は反動増でもっと伸びてもおかしくはなかった。しかし、実際は施策を打っていなければ(国内客の消費は)落ち込んでいた状況だった」と大西社長は危機感をあらわにした。

国内客の消費意欲が鈍い一因として、中間層の家計収支が改善していないことが考えられる。大西社長は「円安で(輸入品など)日常品のコストが上がった」ことをその理由に挙げた。店舗別に見ると、訪日客や富裕層が多く訪れる伊勢丹新宿店は前年同期比10.0%増、三越銀座店は同26.4%増と大きく売り上げを伸ばしたが、郊外の伊勢丹立川店は同0.4%減、三越千葉店は同5.3%減とさらに売り上げを落とした。

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