上司との関係：「いい仕事」をするためのコミュニケーションとは

「もっとしっかり報告しなさい」

と注意する毎日。そんな注意を受けないように上司が仕事上で何を求めているか？　アクションプランを考えて報告内容したいもの。ちなみに上司が求めているのは、いい話を聞きたいではありません。

『指示すべき状況を把握したい』

のです。むしろ、商談で行き詰まっていること、お客様からのネガティブな反応などを業務報告してほしいのです。そこで上司は部下に対して対策をアドバイスしたり、営業同行したりすることでお互いの役割をこなせたのではないでしょうか？

ちなみに、問題はSさんだけでなく、上司側にもあったようです。頭を痛めた上司が言った言葉により、それ以降は業務報告の内容が変わったからです。上司は

「業務報告とは？　君のために行っているのだよ。わかる？」

トンチンカンな業務報告をするSさんに対して目的を再確認しました。さらに

「上司は部下をサポートするのが仕事。そのために1日の仕事内容を知りたいのだ。しかったり、注意したいのではない。君の成長のためにしっかり考えて報告してほしい」

この言葉を伝えた翌日から、

「今日は3社のお客様を訪問して新たな商談が1つ見つかりました。その会社から来週中に見積もり依頼をいただいたのですが、同行いただけますか？」

と業務報告が劇的に変わりました。どうやらSさんは、1日の出来事を全部伝えればいいとしか認識していなかったようです。上司も仕事コミュニケーションの不出来だったと大いに反省させられた一件でした。