外国人が驚く!ニッポンの「鉄道作法」10選 日本の「常識」は海外からみると「ガラパゴス」

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2)整列乗車の習慣

無事改札口を抜けてホームへ向かうと、そこでも驚きの光景を目にするだろう。都会の駅のホームでは、皆きちんと整列して電車を待っている。新幹線をはじめとする長距離列車では、指定席であれば自分の乗る車両を確認してホーム上の決められた場所に並ぶ。

ところが、整列乗車の習慣のない国は実に多い。第一、列車が決められた停止位置にぴったり停まる方が珍しいのである。

ヨーロッパの中でも几帳面なことで知られるドイツでさえ、日本人の目から見れば列車の停止位置はいい加減なのだ。1 ~3号車は、アルファベットのAと示されたあたり、4~6号車はBと表示されたあたり、その程度の案内にとどまっている。

イタリアに至っては、前から1号車、2号車の順と書いてあったのに、実際に入ってきた列車は10号車を先頭に、9号車、8号車と連なっていて、誰もが大きなカバンを持って右往左往することになる。そんな状況では、誰も事前に整列などするわけがない。日本の「整列乗車」についての説明が必要だろう。

指定券がないと自由席車に移動するのは日本だけ?

整列乗車も「自由席車」も海外では見られない

3)指定席車と自由席車

さて、列車に乗る場合、指定券を持っていたら、券面に示された号車、座席番号に従って席に着く。指定券を持っていなかったら自由席車に行く。

ところが、そもそも指定席車と自由席車という区別のない国がある。指定席を取れば、もちろん決められた座席に座り、全席が完売なら指定券がないと席にはありつけない。しかし、空席があれば、それが自由席という発想である。

ドイツの高速列車ICEでは、席の予約をすると、座席の上方、荷物棚あたりに予約区間が電光表示される。そして未予約の座席は何も表示されないか、「予約なし」の表示が掲出される。ルールとしては、指定券を持たなければ、予約なしの席に座る、あるいは予約席であっても、予約区間以外の行程では座ることが許されるのである。

指定券がない人は、自由席車に移動する。これは日本独自のルールかもしれない。

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