日立グループの強みを生かし、コマツと肩を並べたい--日立建機社長・辻本雄一

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日立グループの強みを生かし、コマツと肩を並べたい--日立建機社長・辻本雄一

世界の建機業界でキャタピラー、コマツという2強を追う日立建機。前社長の6年間で業界6位から3位へと急浮上を遂げた。一方で、中国、韓国メーカーの追い上げも激しさを増す。この4月に就任した辻本雄一社長に聞いた。

──途中、リーマンショックによる落ち込みがあったとはいえ、この10年で市場シェアも伸びました。

建機市場全体が伸びている中で、生産、販売のグローバル展開を進める戦略がうまくいった。(キャタピラー、コマツと比べ)多少の後れは取ったが、各地で生産能力を高めて、客が要求する品質、性能、価格を兼ね備えたいい製品を届けてきた。

新興国の生産拠点を増強したり、国内で資源採掘用の鉱山機械の部品生産能力を高めたり、いろいろなところで生産拡大の種をまいている。

──コマツに追いつくのが目標ですか。

一口に建機メーカーといっても、事業分野や製品ラインナップが違う。だから、単純に売り上げ規模で上を目指そうとは思っていない。狙うのは、油圧ショベル、ホイールローダー、ミニショベル、鉱山機械といったコマツ、キャタピラーと競合する製品で、両社と肩を並べるところまで持っていきたい。

──そのために乗り越えないといけない課題は?

売上高も生産規模も短期間で急激に拡大したために、効率化が追いつかず、現状では無駄がかなりある。このままではさらなる成長は難しい。無駄をなくして生産や販売の効率を上げる。これが木川理二郎前社長から与えられた使命だと思っている。当社の売上高営業利益率はまだ1ケタ台。片やコマツは2013年3月期に15%を目指すと発表した(注:11年3月期はコマツ12・1%、日立建機5・4%)。われわれは効率の面で劣っている。

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