焼き牛丼でバトル勃発、松屋と三光フーズの因縁

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焼き牛丼でバトル勃発、松屋と三光フーズの因縁

牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズは、4月5日から全国で新メニュー「牛カルビ丼」の販売を開始した。従来の牛丼より厚めに切ったバラ肉を1枚ずつ鉄板で焼き、専用のたれで味付けした。焼き肉ならではの「ガツンとした味による集客を期待する」(松屋)という。

焼き牛丼の先駆けとなったのは、大手居酒屋チェーン、三光マーケティングフーズが展開する「東京チカラめし」だ。同社は居酒屋市場の縮小が止まらない中、新たな成長を求め2011年6月に牛丼業界へ参入した。「肉は煮るより、焼いたほうがおいしい」(平林隆広専務)と、既存の牛丼とは違う食べ方を提唱。都内を中心に出店を続け、勢力を拡大している。

松屋には三光フーズとの因縁がある。牛丼業界進出に当たり、運営ノウハウのない三光フーズは「ヘッドハンターなどを使い、松屋の商品開発担当者を引き抜いた」(業界関係者)とされる。食材や厨房機器も、「ウチと同じものを使っている」と松屋の幹部は困惑ぎみに語る。

三光フーズの平林実社長は取引先の業者などに対し、「早期に1000店舗体制(3月末時点では57店舗)を確立する」と明言している。一方、松屋の店舗数は911店。「東京チカラめしのベンチマークは松屋」との見方も業界内にはある。松屋の牛カルビ丼販売は、何かと競ってくる同店への反撃と言える。

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