「当事者」の時代 佐々木俊尚著

「当事者」の時代 佐々木俊尚著

新書としては異例の400ページを超える本書は、著者の新聞記者時代の体験から始まる。権力との密接な関係を維持する一方で、「市民感覚」という目線を異常なまでに大切にするマスメディア。しかしその「市民」とはマジョリティであるべき「庶民」ではなく、マイノリティであるプロフェッショナルな市民運動に仮託された存在であり、いつしか日本人の言論は当事者性を失い、弱者や被害者の気持ちを勝手に代弁する「マイノリティ憑依」に陥っていった。著者は戦後のメディアの構図を丹念にたどりながら、その過程をたどっていく。

東日本大震災を経験した今こそ当事者としての立ち位置を取り戻すべきと、自省も交えて論考する。

光文社新書 997円

  

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