地域活性化O2O「コロプラ」成功の秘密《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
「鹿児島 朝日酢食品の薩摩かめ酢」「宮崎 果汁のグァバドリンク」「滋賀 BlueberryFieldsのジャム」。
2012年3月、携帯位置情報ゲーム「コロニーな生活」と提携する日本全国の特産品店に新たに加わった3店舗の商品だ。この結果、全国の提携店は132店舗となった。
今、深刻な過疎化が進む地方の村や離島に、知られざる地元の特産品を求めて多くの人々が押し寄せている。
11年、「コロニーな生活」を運営するコロプラは、全都道府県にある提携店との事業で月間2万人を超えるユーザーを全国の店に送客し、月間1億3000万円以上の1次需要を生み出している、と公表した。
地域活性化型O2O(オンライン・ツー・オフライン)の成功企業として知られるコロプラ。「ゲームを、おでかけのきっかけにして地域を活性化させ、日本を元気にしたい」という使命を掲げている会社だ。
現在、「コロニーな生活」を含めたコロプラ全体の有効会員数は255万人、全ユーザーの総移動距離は141億キロメートル。この距離は地球約35万2500周分という驚異的な数字だ。
「コロニーな生活」では、携帯電話の位置情報機能を利用して、実際に1キロメートル移動することでゲーム内仮想通貨1プラを獲得できる。仮想通貨を使って、自分だけの街(コロニー)を育てる。実際に移動すればするほどゲームを有利に進めることができる仕組みだ。
全国700以上のスポットにエリア分けをしていて、各所にご当地の仮想アイテムが隠されている。ユーザーは20代後半~40代が多い。男女比は約半々と女性にも人気だ。
各地の特産品店との提携事業は、「コロニーな生活」のユーザーと、実店舗をつなげるO2Oビジネスといえる。
ユーザーは、提携店に足を運び、特産品を購入すると「コロカ」と呼ばれるカードを入手できる。コロカに記載されているシリアル番号を入力すると、ゲームの限定アイテムを獲得できる仕組み。