【産業天気図・ホテル/旅行】法人宴会が支え前半「晴れ」だが、後半一服へ。個人消費拡大がカギ握る

ホテル・旅行業界の07年度前半は、好調な法人宴会や法人旅行需要などが収益を下支えることから、「晴れ」が続く。ただ、後半には一服感が漂い、「曇り」となる可能性が高い。個人消費が盛り上がってくれば、雲の合間から日が差すこともありそうだ。
 ホテル業界は、現状、宴会部門が収益を牽引している。帝国ホテル<9708.東証>の今08年3月期は、一般宴会の伸びはやや鈍化するものの、引き続き堅調な見通し。ただ、婚礼は一服感が見え始めており、年度では件数が減少となりそうだ。藤田観光<9722.東証>でも、柱の椿山荘の宴会が収益を牽引しているものの、勢いは徐々に衰えるかもしれない。
 業界全体で見ると、年度後半にかけては、法人宴会の一服を個人消費の拡大に伴うレストランや宿泊部門の伸びでカバーできるかどうかが、ポイントとなりそう。中でも宿泊部門は、07年9月の「ザ・ペニンシュラ東京」(日比谷)など、高級外資系ホテルの開業ラッシュがなお続く。これに対し、帝国ホテルやホテルオークラなど国内老舗ホテルは、大規模な改装などで対抗。供給過剰で苦戦を余儀なくされる可能性があることはリスクだが、外国人を含め個人客をどれだけ取り込めるか、注目が集まりそうだ。
 一方、旅行業界は、相変わらず、エイチ・アイ・エス<9603.東証>の好調ぶりが目立っている。海外旅行を軸に、低価格を訴求する戦略が受けている。業界で断トツのJTBは、海外旅行の法人需要などの堅調が続くものの、伸びは鈍化しそう。システム開発や新店舗開設などに積極投資することから、今08年3月期の経常利益は一転減益を見込む。業界2位の近畿日本ツーリスト<9726.東証>は、苦戦が続いている。海外企画旅行を中心に需要は上向きながら、回復力はまだ鈍い。
 旅行業界全体としては、内外のテロや気候変動、伝染性の病気の流行など外部要因に弱い点を、恒常的なリスクとして抱えている。
【柿沼茂喜記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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