成長を加速させるために
楽天が選んだ“動く”デスクとは?
岡村製作所

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楽天がグループを挙げて本社を移転した。移転先は、東京世田谷区の二子玉川。「楽天クリムゾンハウス」と命名された新社屋では、デスクの間に仕切りのない開放的な執務スペースにすることにより、従業員同士の活発なコミュニケーションを促進することを目指した。また、健康的で効率的なオフィスワークをサポートするため三木谷浩史会長兼社長の肝煎りで全社員、約1万3000人に新たなデスクが導入された。そのデスクとは一体どんなものなのか。

この職場でずっと働きたいと思えるオフィスへ

「とてもいい机です。でも、入れるにしても、特に座っている時間が長いシステム部門を中心にせいぜい1000台から1500台程度だろうと考えていました。ところが三木谷が『全員に入れる』と言い出したんですよ。結局、海外を含めて1万3000台を導入しました」

そう言って苦笑するのは、楽天の杉原章郎常務執行役員だ。杉原氏は楽天グループ全体の人事担当役員として、ファシリティマネジメントも管掌している。

楽天が、東品川にあった本社の移転を検討し始めたのは3年ほど前からだ。2棟のオフィスが満杯になるのは時間の問題だったからである。首都圏で候補地を探した結果、白羽の矢が立ったのが二子玉川であった。

楽天
取締役 常務執行役員
人事担当役員
杉原 章郎

住まいがある場所に職場を近づけないと、楽天が目指すワークスタイルが実現しない、そう三木谷社長は考えていたという。「仕事をすることが楽しかったり生き甲斐の一つだったりすることが、人生や生活を豊かにする。楽天が世界で戦っていくためには、この職場でずっと働きたいと思えるようなオフィス環境を会社が提供し、従業員をサポートしなければいけません。そのためには職場と住まいが近いほうがいいのです」(杉原氏)。

そういうオフィス環境を実現するために重要な役割を果たすのが、オフィス家具。杉原氏たちは海外も含めて最適なオフィス家具を探索した。そしてあるとき、岡村製作所が発売したばかりの昇降式デスク「Swift(スイフト)」に出会ったのだ。

このデスク、天板の高さを自由に調節できるのが最大の特徴だ。調節の幅は650ミリから1250ミリまで。電動式なので調節はスイッチを押すだけ。昇降時も音はほとんどせず、何かに衝突すると異常を感知して動作を止める安全装置も標準装備されている。

実は、これまでも使う人の身長や座高、姿勢などに合わせて高さを調節できるデスクはあった。だが、「スイフト」は基本的なコンセプトが決定的に違う。座りっぱなしの姿勢は体に良くない。疲労も蓄積する。仕事の効率も低下する。それではいい発想も生まれにくい。仕事の種類によっては、立ってしたほうがいい場合もある。使う人のコンディションや仕事に応じてデスクの高さを変えられれば、立ったり座ったり自由な働き方ができ、健康にも生産性にもいい効果が期待できる。そういうコンセプトで開発されたのが「スイフト」なのである。

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