日本の株価はまだ割高ゾーンに入っていない アベノミクス相場の終わりは「まだ」か「もう」か

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各国の経済と相場は、バブルとバブル崩壊を繰り返してきた。それぞれの地域がどんな経済状況にあるのかをつかむ必要がある(写真:Rawpixel/PIXTA)

本連載の編集担当者が交代したことでもあり、今回はあらためて、現在の相場を筆者がどう見ているかを確認しておこう。下図は筆者が勝手に「山崎式経済時計」と名付けている、相場と経済の典型的な推移を考える「モデル」だ。

時計が指している時刻は、資産価格(主に株価)の割高度合いを示していると考えてほしい。11時と1時を結ぶ線より上は株価が高すぎで「バブル」、5時と7時を結ぶ線より下は安すぎでありこちらを「ボトム」と名付ける。時計の針は、基本的には時計回りに進行し、上から下へは高すぎる資産価格が下落する「バブル崩壊」で動き、下から上には主に政府・中央銀行による金融緩和と民間金融機関の信用の拡大によって動く。

一目瞭然、これが山崎式経済時計だ

バブルとは、借金をして資産に投資することによって起こる現象であり、顧客ないし自分の会社(!)にリスクを取らせてボーナスを稼ごうとする「金融マンのビジネス・モデル」によって度々発生する。

そして、資産価格の下落局面ではローンの担保が劣化して不良債権問題が起こり、中央銀行が流動性危機を回避しようとして金融緩和を行う。

その後、金融機関がバランスシートの傷みで信用収縮を起こす「貸し渋り」の時期を経て経済が徐々に回復する。9時を超えるとインフレ的になるとともに経済活動と信用が共に拡大するブーム(好況)を迎え、やがてはまたバブルに至る。

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