【グローバル人事の「目」】駐在員早期育成の最前線--これだけやれば何とかなる3つのポイント

【グローバル人事の「目」】駐在員早期育成の最前線--これだけやれば何とかなる3つのポイント

◆英語が出来なくても駐在員となる現実

日本企業は成長する海外市場の攻略に向けて舵を切った。しかしほとんどの日本企業では海外拠点の要を担う「駐在員」の育成が追い付かず、本来であれば駐在員になる能力のない社員も赴任しなくてはならない。実際、TOEICが500点台だった私のクライアントの人事課長も米国工場への赴任が決まっている。

その上、駐在先では事業の立ち上げや統廃合といった難易度が高いミッションを背負うこととなり、多くの駐在員が苦労している。語学能力と経営能力が不十分なケースが多いことから、多くの企業において駐在員の能力アップの必要性が高まっている。

産業能率大学の『海外赴任者に対する育成・支援の実態調査(2011年)』によると海外赴任中に会社や上司から「役立つ支援」を受けていないと答えた人が6割超と過半数であった。しかし逆に見ると「4割」程度は役立つ支援を受けている可能性があるが、ほとんど話題に上らない。

私はこの海外赴任に役立つ支援を19年ほど続けてきた。この連載ではまだ語られていない「駐在員の早期戦略化」の要諦を具体的に解説したい。

◆現地の仕事の局面で最低限困らないレベルを身につけさせる

日本本社には各現地法人の経営目標等の数字といったハード面の情報はある。しかし派遣先の現地法人の職場の雰囲気や人間関係といったソフト面の情報が揃っていることは珍しい。派遣される立場で考えると、このソフト面の方が実は気になる。現地で働く自分の姿が具体的にイメージ出来ないからだ。駐在前にどんな知識やスキルを身に付けおけば大丈夫なのか判断できないと不安が増幅されてしまう。

駐在前の不安を解消するには、これさえやれば何とかなるというミニマムレベルのゴールを派遣前と派遣後で設定し、段階的に身に付けていくシナリオを人事部が示すと良い。派遣前のミニマムゴールは「赴任先での家族含めた生活」や「ミッションと想定業務」にプラスして、以下の3点を身につけさせることにする。

(1)経営「感覚」を身に付ける
(2)日本の仕事の進め方と異なる局面の対処方法を学ぶ
(3)赴任時の就任スピーチで失敗しないように準備する

各ポイントの要諦を解説しよう。

 

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