中国2大動画サイト「優酷網」と「土豆網」が突如合併、小さくない日本のコンテンツホルダーへのインパクト
犬猿の仲と思われていた中国で最も人気の2大動画サイト「優酷網(YOUKU)」と「土豆網(TUDOU)」が突然合併した。その1カ月前までは連日「目には目を、訴訟には訴訟を」とばかりに相手に訴訟をちらつかせ、時に行動に移していたので、中国のインターネットユーザーでさえもその報道に驚いた。
合併後の新名称は「優酷土豆」だが「優酷」「土豆」のブランドは存続するという。土豆は上場廃止、土豆網株の1ADR(米国預託証券)に対し、優酷網株1.59と交換するとしている。
結論からいえば、これらYouTubeのような動画サイトの競争がなくなることは、中国側にとってはプラスになるが、中国進出をもくろむ日本の動画コンテンツホルダーにとっては、マイナスに働きそうだ。
動画はネットでタダで見る、のが中国流
中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」によれば、中国動画サイトの広告収入額の合計は11年10~12月期では16億8700万元(約211億円)、2011年全体では48億3500万元(約605億円)。市場規模は順調に大きくなっている。
四半期でのシェアは「優酷網」が21.8%でトップであり、「土豆網」が13.7%で続く。3番手にはポータルサイトの「捜狐(SOHU)」の動画サイトが13.3%で迫る。
■中国の動画サイトの広告収入規模(単位:億元)と成長率(%)
それでも2大サイトと書いたのは、検閲のためにYouTubeが中国からアクセスできなくなるや、YouTube登場後に雨後のたけのこのように出ていた「優酷網」や「土豆網」をはじめとした動画サイトが急成長し、中国国内動画サイトのシェア争いの中で「優酷網」と「土豆網」のみが生き残った経緯があるためだ。
合併直前まで2大動画サイトといえば、この2サイトのこととメディアも消費者も認識していた。優酷網や土豆網の固定ファンもいるが、検索サイトで動画のタイトルを検索した結果として、2サイトにある動画を見る利用者のほうが多い。