解散・上場廃止宣言から一転、上場維持--マザーズ最古参銘柄、メッツのジェットコースター的軌跡
解散による上場廃止宣言から一転、スポンサーが現れ、上場が維持されることになった東証マザーズ上場のメッツ。上場からの12年間の軌跡は、まさにジェットコースターそのものだ。
メッツの上場は、ITバブル末期の2000年2月。前年の11月に東証マザーズ市場が開設され、リキッドオーディオジャパン(後のニューディール)とインターネット総合研究所の2社が開設と同時に上場しており、メッツはマザーズ3番目の上場会社である。先行2社はすでに上場廃止になっており、メッツは現在上場する会社ではマザーズ最古参となっている。
上場当時のメッツの主要事業は、パソコン用のグラフィックパッケージソフトの開発・販売事業。無借金で年商10億円弱、営業利益8100万円という会社だった。
だが、翌01年3月期は売上高が2億円強まで落ち込み、早くも営業赤字に転落してしまう。パソコン向けパッケージソフトの先行きが暗いことを理由に、ポータルサイト運営やオンラインでのコンテンツ提供サービスに進出するも、コストに見合う収益が上がらなかったからだ。
翌02年3月期は早くも、採算が合わないポータルサイト運営の縮小を余儀なくされるなど苦戦が続き、連続赤字に。創業事業であるパッケージソフト事業からは04年4月期に撤退している。
03年3月期に赤字脱却に成功したのは、02年秋からセキュリティシステムの販売を開始したからだ。販売先は、中古マンションを改装して転売する不動産会社。改装時に同社のセキュリティシステムを組み込んで転売する、という手法だった。