【産業天気図・住宅/マンション】マンション価格急上昇で今年は販売苦戦か

昨06年は分譲マンション市場の転換期となった。首都圏では、バブル期の2倍の水準である大量8万戸以上の供給が7年連続で遂にストップ。前年比11.5%減の7万4534戸となった。
 原因はマンションデベロッパー間の用地取得競争の激化にある。マンション市場調査のトータルブレインによると、06年に供給されたマンションの分譲坪単価は都内近郊で05年比15%程度上昇した。価格上昇のペースが早過ぎてエンドユーザーは模様眺めとなっており、月別契約率の平均を見ると05年度は81.9%であったのに対し、06年度は78.5%と低下した。同年12月が73.5%まで下がるなど06年度は年末に向けて徐々に契約率が低下。苦戦傾向が明らかになり、デベロッパーは販売時期を後ろ倒しにして「新価格」の浸透を待っている。
 この間、用地取得競争は続き、06年度に用地を仕込んだマンションが発売される07年度後半の分譲坪単価は、06年度からさらに10~15%程度上昇する可能性が高い。となれば、ますますエンドユーザーは様子見姿勢を強め、売れる物件と売れない物件の差がはっきりと開いてくることが予想される。
 06年度に単価が上昇しても好調に売れた物件としては、三井不動産<8801.東証>の「アーバンドックパークシティ豊洲」が挙げられる。同物件は過去の近隣物件に比べ2割程度坪単価が高かったが、大規模商業施設との複合開発で人気を集めた。また、三菱地所<8802.東証>の「パークハウス赤坂氷川」も坪単価435万円と億ションが中心の超高額物件だったが、赤坂という好立地が評価されて販売は好調だった。
 この結果を見ても分かるように、大規模で話題性のある物件や好立地の物件は価格が上昇したとしてもエンドユーザーを引き付ける力があるようだ。ただし、こうした物件を手掛けることができるのは豊富な資金力と企画開発力がある大手に限られる。中堅以下のデベロッパーは、特に07年後半以降、苦戦を強いられることも予想される。業界環境としては06年前半までは「快晴」であったが、07年前半は「晴れ」、後半は「曇り」となりそうだ。
【藤尾明彦記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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