スシロー新業態、「脱回転」に秘められた野望 東京以外へも出店、いずれは海外へ

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店のコンセプトは「お寿司の時間を新しく」。それを象徴するのがロール寿司、ひとさじ寿司、手まり寿司などのメニューだ。たとえば小さなスプーンにのったひとさじ寿司は、見た目も楽しいが、パクッと一口で食べられる手軽さが特徴。いくら、まぐろ、うなぎなどを中心にさまざまなネタを組み合わせたものもある。

「軍艦は握れないものを寿司にするには、と考えてああいう形になったと思います。ひとさじ寿司もその発想から考案されたものなんです。食べたときに、いろいろな味が口の中に広がるのを楽しんでいただけます」(堀江さん)。

ワインにも注力

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ワインメニューも充実。しかも、わかりやすい

また、同店では飲み物の種類も豊富に揃えているが、なかでもワインに力を入れている。スパークリング、赤、白とひと通り揃えたほか、お客が選びやすいよう、味わいやどんな魚に合うかを、メニューでわかりやすく視覚化している。「お寿司にワインというのは、今までのすし店ではなかった発想。寿司の可能性を広げるのではないかと思います」(堀江さん)。

ただ、スシローのイメージが強いだけあって、新業態のコンセプトを客に理解してもらうためにさまざまな工夫をしている様子だ。たとえば、新味のある変わり寿司やつまみなどで新しい寿司の食べ方を提案しているが、オーソドックなにぎり寿司も人気が高い。そこでにぎり寿司の提供方法も一捻りしている。1カン=2個からではなく、1個から注文できるほか、盛り合わせや、「マグロ3種食べ比べ」などエンターテインメント性のあるメニューもある。

ただ、「今までスシローを知らなかった人には好評ですが、スシローに馴染みのあるお客様は違和感を覚えるかもしれません」(堀江さん)。

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