原発再稼働へ「前進」でも、関西電力が喜べない理由
11基ある原発も2月20日には最後の1基が止まり、火力のたき増しによる燃料費増大で2012年3月期は営業赤字に転落する見通し。
東京電力のように燃料費の増大を理由に値上げで費用を補う手もあるが、関電は「値上げではなく、経営合理化を続けながら再稼働の努力をする」(八木誠社長)と、早期の原発再稼働をあきらめていない。そのため、再稼働が先延ばしになれば、赤字が続きジリ貧状態に追い込まれる。
今夏は全原発停止により、関電管内はかなり需給が逼迫した状態に陥るとみられる。そうなれば、原発再稼働の是非をめぐる議論はおのずと緊迫するだろう。原発反対派と関電との綱引きがしばらく続きそうだ。
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(倉沢美左、鶴見昌憲 =週刊東洋経済2012年2月4日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
Photo:Jo CC BY-SA
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