多様性のない組織が「ジリ貧」になるワケ 「答えのない世界」で稼ぐ力<前編>
日本企業と日本人が稼げなくなった理由
統計データを持ち出すまでもなく、20年の長きにわたり、日本企業およびそこで働く日本人の「稼ぐ力」が衰退の一途をたどってきたことは、周知の事実です。ここ数年、ようやく下げ止まりの兆候が見え始めたものの、本格回復にはまだほど遠いと言わざるをえないのが現実です。
日本企業および日本人の「稼ぐ力」が衰えてしまったのには、1998年から始まったと言われているデフレが大きく影響しています。しかし、原因はデフレばかりではありません。
デフレが始まった1990年代の後半から、インターネットを中心としたIT分野のイノベーションが急速に進みました。また、インターネットが普及した結果、グローバル化・ボーダレス化が一気に進みました。
その結果、過去の経験や既存の知識だけでは解決困難な、前例のない課題が頻出する時代、すなわち「答えのない世界」へ突入したのです。
しかし、このようなドラスティックな変化に対応すべく、適切な対策を採った企業は、日本では必ずしも多くはありませんでした。その結果、「稼ぐ力」が衰退するという事態を招いてしまったのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら