新体制を迎える北朝鮮、経済開放の現実味

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自分の死を覚悟し、死後のこともきちんと準備した後で亡くなった--。金正日総書記死後の北朝鮮を見ていると、そう感じられるほどの整然さだ。

2011年12月19日の死亡発表後、北朝鮮内部は海外の北朝鮮ウォッチャーの想定以上に落ち着いている。本稿執筆は12月28日の国葬前だが、国内の弔問客にあいさつする金総書記の三男、金正恩氏に不安な様子はみじんもない。3代世襲の後継体制を確立するという目標の最初の一歩は、ある程度成功したかのように見える。

08年に病に倒れた金総書記は、今回の死が急だったとしても、「後継者=正恩氏」という体制を着実に確立してきた。実際、平壌市内には、正恩氏を後継者と周知させるような看板やスローガンが掲げられ、朝鮮労働党機関紙・労働新聞には、親子で工場などを現地視察する様子が連日のように掲載されていた。静かに、時には目立たないほどだったが、「革命の継承者」としての地位固めは徐々に進んでいたのである。 

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