2011年最大の東証上場、韓国ネットゲームの巨人・ネクソンが来襲
韓国系オンラインゲーム大手のネクソンが12月14日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は公募価格の1300円を7円上回り、今年最大の新規株式公開。時価総額は約5500億円で、ゲーム関連のディー・エヌ・エーを抜き、グリーに匹敵する規模に躍り出た。
同日、東証で記者会見したネクソンの崔承祐社長は、初上場の場に日本を選んだ理由について、「韓国と地理的に近く、海外投資家の流入も見込みやすい。何よりゲームのメッカであり、ゲーム会社として価値を上げるため、これ以上ふさわしい場所はない」と説明した。
ネクソンは1994年にソウル大学在学中の金正宙氏(現取締役)が起業した。96年に世界初の多人数同時型RPG(ロール・プレイング・ゲーム)『風の王国』を開発。その後も『メイプルストーリー』など代表作となる作品を相次いで投入している。
日本には2000年に進出。現在は世界104カ国で50タイトル以上を配信し、若年層を中心に12億人が登録している。11年12月期の売上高は前期比22%増の852億円、営業利益は23%増の372億円を見込み急成長中だ。
存在感も圧倒的だ。世界で累積売り上げが10億ドルを超えるビッグタイトルは任天堂の『スーパーマリオ』シリーズなどわずかだが、ネクソンは15億ドルのタイトルを2本保有。ネットカフェなどオンラインゲームの人気が高い韓国や中国では青少年のゲーム中毒が社会問題化しており、その主犯格とさえ言われる。