厳しくしすぎれば、「何も食べられなくなる」

組み換え食品を特別視するべきではない

あまり気にしすぎると何も食べられなくなってしまいます(写真:xiangtao / PIXTA)
どんなに体にいいものも食べ過ぎれば毒になるし、普段私たちが口にしているもの、たとえばジャガイモの芽やフグには毒がある。誰もが気になる“食の安全”。だが何をもって安全だと判断するのかは非常に難しい。日本ではまだ抵抗感の強い遺伝子組み換え作物との付き合い方を中心に、食品の安全性に詳しい国立医薬品食品衛生研究所の畝山智香子・安全情報部第三室長に話しを聞いた。

 

――食の安全、とはそもそも何か。

食品安全とは何なのか、定義自体を考えたこともなく口にしているという事実があると思う。食品は安全であるべきと言う人もたくさんいるが、どういうものを安全と言うのか。

(私たちが通常口にしている)一般的な食品は、たとえば添加物や農薬のように検査したり安全性試験をしたりして食べているわけではない。つまり、もともとよくわからないものを食べているのが現状。食品添加物や残留農薬など意図的に食品に加えられるものに関しては、必要以上に厳しく安全性を確保している。事前評価などない通常の食品に比べれば、遺伝子組み換え食品はむしろ安全とも言える。けれど普通の食品を同じように厳しく審査していたら、何も食べられなくなる。

安全でも、リスクはある

――畝山さんの著書『ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想』にも出てくる話ですね。たとえばジャガイモの毒素や、たまねぎは動物に対して中毒性があることなど、私たちが普段口にしているものにもリスクはある。

そうです。遺伝子組み換え食品に関して、さまざまな実験や検査を行っているが、普通の食品並みという意味で、安全性に問題はない。

安全とは、リスクが一定のレベル以下であるということ。ゼロということはありえない。ただその許容範囲は人によって全然ちがう。たとえばタバコ。タバコが原因で何万人も死んでいても平気だという人もいれば、たとえ世界にたった一人でも被害が出れば許せないという人もいる。食品も同じで、どのくらいなら許せるかと言うことは、本当は真剣に話し合わないといけない。

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