だから日本の中古住宅はいまだに買いにくい

政府肝いりのリフォームローンが不調なワケ

中古住宅とリフォームをセットにした長期固定ローンなら、大規模なリノベーションを前提にできる(写真:jazzman / PIXTA)

中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借りられる、住宅金融支援機構が今年4月に導入した新しいタイプの住宅ローン「フラット35(リフォーム一体型)」の販売が低迷している。中古住宅・リフォーム市場の拡大に向けた政府の目玉施策ながら、融資件数は6月末で30件程度。取り扱い金融機関も55社(7月29日現在)と、長期固定金利を特長とする住宅ローンである通常のフラット35を取り扱う金融機関328社の2割以下にとどまる。

フラット35(リフォーム一体型)は、まだ発売3カ月程で消費者の認知度が低いのも確かだが、モーゲージバンク(住宅ローン専門のノンバンク)で組織する日本モーゲージバンカー協議会の大垣尚司代表理事(立命館大学教授)は、「金融機関がリフォームローンを積極的に融資できる環境が整わない限り、市場は伸びない」と厳しい見方を示す。はたして改善策はあるのか。

リフォームローンとクーリング・オフ

リフォームローンは、2009年12月に施行された改正割賦販売法で工務店やリフォーム事業者が窓口となって取り扱う提携ローンに、クーリング・オフ制度が適用されるようになった。割賦販売法は、売買代金の支払いを分割して支払うことを条件とした販売方式である割賦販売にまつわる法律。クーリング・オフとは、「契約後に頭を冷やして(Cooling Off)冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる特別な制度」(国民生活センターHPより)のことだ。

クーリング・オフ制度の導入には、社会問題が大きくかかわっている。2000年代に入ってリフォーム事業者が高齢者などに訪問販売を行い、着工前に提携ローンを使ってクレジット契約を結ばせたあと、リフォーム工事を行わないリフォーム詐欺事件や無駄な工事や手抜き工事を行う悪質リフォームなどだ。

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