これが一流と呼ばれるホテルの共通点だ 基本ができなきゃホテルの意味がない

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マンハッタンにあるベンジャミン・ホテルでは、宿泊客それぞれに合った枕の提供サービスを行っている。写真(左から2番目)はアドバイスを行う睡眠コンサルタントのレベッカ・ロビンス(写真:Shin Woong-jae/The New York Times)

ジェレミー・ジョーンズは、ホテルには泊まり慣れていると自負している。化学技師である彼は出張が多く、また妻のアンジーとともに世界中を旅しているからだ。2人は旅の様子をブログにも書き記している。

だが、アメリカのインディアナポリスにあるコンラッド・ホテルに2泊した時には、ジェレミーでさえ初めてのものがあり、それを試してみようと思った。自分に合った枕を選べる「枕メニュー」だ。

コンラッド・ホテルは、宿泊客それぞれの眠りに合わせられるよう、硬さや形が異なるさまざまな枕を揃えていた。ジェレミーは水枕を選び、妻はサポート枕を選んだ。2人は驚くほどよく眠れ、2泊目もよく眠ることができた。そこで、ピッツバーグにある自宅に帰ると、コンラッド・ホテルで使ったのと似た枕を購入した。

アロマオイルや特製マットレスでよい眠りを

枕を選べるのは、高級ホテルではそれほど新しいサービスではない。だが、この例からわかるのは、ホテルが宿泊客の眠りの質を高めようとしていることだ。

JWマリオット・ホテルは、2013年に「ナイトリー・リフレッシュ・プログラム」を立ち上げた。到着した宿泊客がリラックスし、ぐっすりと眠れるようにするためだ。同社のサービスはベッドだけに留まらず、体をリラックスさせる効果を狙って、アロマオイルの調合やさまざまな風味のチョコレートの提供などに及んでいる。マンハッタンにあるペニンシュラ・ホテルは、創業110年のロンドンのベッド・メーカー、サヴォア・ベッドが製造する手作りのマットレスを使っている。

スターウッド・ホテル・チェーンの一部のホテルでは、宿泊客がより良い眠りを得られるようなメニューを開発した。また、同社のコネティカット州スタンフォードにある本社には、新しいアイデアを試すコンセプトルームが設けられている。たとえば、夜でも室内が見える照明付き床タイルや、スマートフォンで照明やテレビなどをコントロールできるシステム、長旅の後で体内時計をリセットできるような特殊な照明などだ。

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