東芝株、特設注意市場銘柄へ移行の見通し 上場廃止は当面回避の公算

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 7月20日、関係者によると、東証に上場する東芝株は当面、上場廃止を免れる公算が大きい。写真はベルリンで昨年9月撮影(2015年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[東京 20日 ロイター] - 東芝<6502.T>の不適切会計問題を調べていた第三者委員会は、経営陣の組織的関与を指摘したが、東京証券取引所などの関係者によると、東証に上場する同社株は当面、上場廃止を免れる公算が大きい。

東証は、内部管理体制に問題があり、改善の必要性が高い企業が振り向けられる「特設注意市場銘柄」への指定を軸に検討を進めるとみられている。

ひとまず「特設注意銘柄」に移行の見通し

2004年の旧西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件や、06年の旧日興コーディアルグループによる不正会計事件、2011年のオリンパス<7733.T>の損失先送り事件など、企業の粉飾決算事件のたびに市場の注目を集めるのが上場廃止の有無だ。今回、東芝の行方に対する市場の関心も高いが、複数の関係者によると、上場廃止は見送られる可能性が高い。

理由の1つが、2013年の制度改正だ。制度改正以前は、有価証券報告書の虚偽記載が発覚した銘柄はまず「監理銘柄」に指定され、上場廃止にするかどうかの審査期間に入った。

しかし、結論に至るまでの期間は不透明感がくすぶり続け、投資家は対象銘柄を手掛けにくかった。

制度改正ではこの点が見直され、有報の虚偽記載では原則として監理銘柄ではなく、内部管理体制を改善する必要がある企業として「特設注意市場銘柄」に指定することになった。

そのうえで、指定を受けた企業は定期的に改善報告書を提出する。投資家は、対象銘柄が早期に上場廃止に追い込まれるリスクから解放され、通常通り売買を行うことができる仕組みができた。

20日に公表された東芝の第三者委員会の報告書は、不適切な会計処理への歴代経営陣の関与を認定。さらに「いくつかの案件については、複数の監査委員が不適切な会計処理が行われている事実、または、引当金の計上等の会計処理が必要となることを裏付ける事実を認識しているにもかかわらず、監査委員会において問題点を審議するなどの行動は行われず、また、監査委員会として業務執行者側に問題点を指摘したりするなどの何らかの行動を行うことはなかった」として、社内の監査委員会の機能不全を指摘した。

複数の関係者によると、東証は東芝に対して内部管理体制を改善する必要性が高いとして、ひとまず特設注意市場銘柄に指定する可能性が高いとみられる。また、東芝に対して上場契約違約金9120万円を科すことも視野に入れているようだ。

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