最強組織グーグル、その「採用基準」とは? 人事担当責任者が語る「5つの条件」

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「私たちはどう対応するのが正しいかについて激論を交わした。エリックは経営陣によるスタッフミーティングを毎週開いていた。約2時間におよぶ会議の多くで、少なくとも30分が中国に関する話題に割かれた」

「会社中のグーグラーもまたこうした議論に加わった。(時には)エンジニア、プロダクトマネージャー、上級経営者が出席する製品検討会議の場で、金曜夜のパーティで、1度に数千人が参加する長いeメールでの議論で、社内の廊下やカフェで、議論が繰り広げられた。(中略)数千時間におよぶ議論を終え、世界中の社員からの意見に耳を傾けたあとで、検索結果の検閲は(受容)できないと判断した」

撤退で社員の団結は逆に強まった。こうした社風を醸成するための採用、評価、報酬、福利厚生はいったいどうなっているのだろうか。今回は、採用について解説していこう。

採用試験はハーバード大の25倍の倍率

ラズロ・ボック(グーグル人事担当上級副社長)1974年ルーマニア生まれ。米イェール大学でMBA取得。2006年からグーグルで人材部門を率いる。日本で英語教師も。

「私たちは毎年約200万通もの就職申込書を受け取る。出願者は世界各地にまたがっており、またありとあらゆる経歴を持っている。このうちグーグルが雇うのは年に数千人にすぎないから、ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学などと比べて倍率は25倍にもなる」

最強頭脳集団を維持するために、ボックが最も重要視するのは採用段階だ。組織における唯一にして最重要の人事活動と位置づけている。

2010年ごろまでは米グーグルの給与水準は他社より5割低く、優秀な人材を確保するためかなりの手間をかけなければならなかった。

一方で、自社にとって優秀な人間は、一流大卒の人よりも、チームワークに優れ困難に打ち勝つ力を発揮してきた連中だとわかってきた。

「アイビーリーグの平均的な──場合によっては平均以上の──卒業生より、州立学校をクラスのトップで卒業した聡明で勤勉な学生のほうを採用したいと考えている」

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