電波不足に焦るソフトバンク、スマートフォン増えいよいよ正念場

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スマホは“両刃の剣” 従量制料金の導入も

競合他社もひとごとではない。昨秋以降、スマートフォンへ力を入れるドコモとKDDI。その効果で、データ通信収入は如実に拡大しており、「スマートフォンシフトを加速させる」(ドコモの山田隆持社長)。反面、通信量も増加の一途で「都心部など局地的に通信速度が遅くなるケースが発生している」(KDDIモバイル技術企画部の新名豪課長)。

対策はいくつかある。一つは、負荷がかかっている現行の回線のトラフィックを別回線へ誘導する方法だ。

代表的なのが、Wi−Fi(ワイファイ)など無線LANの活用。携帯会社は街中に「アクセスポイント」と呼ばれる接続ポイントを設置。スマートフォンを接続すれば、携帯回線を使わずブロードバンドを利用できる。ソフトバンクがカフェや飲食店への無償設置をいち早く進めたのに続き、KDDIは6月の1万局から期末10万局へと増設する。

次世代高速通信のLTEも期待されている。電波の利用効率が現行サービスの3倍よいとされ、ドコモが積極的に推進している。昨年末に他社に先行してサービスを開始し、今秋以降は対応スマートフォンやタブレット端末を投入し本格化する。

ただ、急増する通信量を吸収するには、さらなる一手がほしい。

ここにきて現実味を帯びてきたのが従量制料金プランの導入だ。使用した通信量に応じて上限なしに料金を徴収するため、通信量を抑制する効果がある。北米では都心部などで通信速度が遅くなる事態が深刻化。AT&Tが昨年6月に導入したほか、最大手のベライゾン・ワイヤレスも今年7月に追随した。

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