日本企業にとって「労働力のポスト中国」はどこか?--円高で中国人賃金は依然として安い水準に

日本企業にとって「労働力のポスト中国」はどこか?--円高で中国人賃金は依然として安い水準に

急激な円高ドル安の進行によって日本企業のアジア進出はさらに加速するだろう。そこで今回は須貝信一ネクストマーケット・リサーチ代表取締役にアジア進出日系企業と人件費について聞いた。

--そもそも、海外に進出する企業にとって「人件費の安さ」は、進出条件に占める割合として大きいものなのでしょうか?

「日本向け輸出加工型の企業」「労働集約型」の産業では、大きい条件になります。どういう目的で海外に進出するかによって違います。「消費市場」としてその国をみる場合には、相対的に重要な要素でなくなります。北米などでは日本より給料を多く払っています。これは「雇用に貢献する企業」という政治的意味が強いですが、企業としてはコストより売上げ、つまり消費市場を見ていることになります。

現在の新規の海外進出は、ほとんどが新興国ですから、人件費の安さは重要です。企業によっては、進出国を生産拠点としてとらえたり、市場として両にらみでとらえたり、さまざまです。

■北京や上海の一般工員の賃金は東京の10分の1

--単純に現在のアジア各国の人件費を比較すると、どうなのでしょうか。まず、中国はどうでしょうか?

中国政府は人民元を少しずつ切り上げてきていますが、それ以上に円は対ドルで高くなっていますので結果的に円高・人民元安が進行しています。つまり、切り上げどころか日本からみれば以前にもまして人民元が安くなっています。2011年現在、北京や上海の一般ワーカー賃金で東京の10分の1程度。中国進出は依然として魅力があると思います。

--中国の人件費が高騰していても、円高も手伝って、まだまだ安いということですね。

そうですね。ただ中国は、社会保障負担率がかなり高いです。自治体によって異なりますが4割くらいです。これは中国の投資環境の大きな欠点です。

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