Apple Musicは「ラジオ」機能が秀逸だった 音楽産業に利益をもたらす仕組みに育つか

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アップルは前述の時間、米国西海岸夏時間の6月30日午前8時(日本時間7月1日午前0時)ぴったりに、iOS 8.4の配信をスタートした。iPhone 6 Plus向けには1.8GBのアップデートで、米国の筆者の手元の環境ではダウンロードに20分ほどかかった。

日本での価格は月額980円か月額1480円のどちらか

iOSのアップグレードが終わると、ホーム画面にある「ミュージック」アプリのアイコンは赤から白に変わり、Apple Musicに対応したことが分かる。開くと、Apple Musicの紹介とメンバーシップの選択画面が出てくる。

米国では個人アカウントが月額9.99ドル、ファミリーアカウントが14.99ドルだったが、日本での価格は、個人が月額980円、ファミリーが月額1480円となった。

ファミリーアカウントは、iCloudファミリー共有に登録している最大6人までで利用する事ができる。例えば、夫婦でApple Musicを利用するなら、ファミリーアカウントで利用した方が安くなる。なお、開始から3カ月間は無料トライアル期間となるため、10月になるまでは無料で楽しむ事ができる。

自分の好みをバルーンで設定

その後、Apple Musicのサービスに、自分の好みの音楽の「初期値」を設定する作業に入る。画面の中に表示されるバルーンにはジャンルやアーティストが表示されており、好みのバルーンを大きくし、興味の無いバルーンを削除していく。このインターフェイスは、アップルが買収する前のBeats Musicの方法と同じだ。

一連の作業が終わると、いよいよApple Musicを使い始めることができる。もしデバイスに音楽を転送していたり、iTunes Storeで購入した音楽がある場合は、「My Music」に格納される。手持ちの楽曲をアップルのサーバに保存するiTunes Musicは「iCloudミュージックライブラリ」と名前を変え、2万5000曲から10万曲へと保存できる曲数が増えた。

この「My Music」タブがこれまでのミュージックアプリのすべての機能をまかない、それ以外のタブは新機能ということになる。

Apple Musicで音楽を聴く新たな方法は、3つ用意されている。「For You」「New」「Radio」だ。これに加えて、アーティストの最新情報が配信される「Connect」と、前述の「My Music」でミュージックアプリが構成される。

For Youでは、初期設定した音楽の好みに応じて、プレイリストやアルバムがセレクトされ、タップしてすぐに聴き始めることができる。また「New」は最新アルバムや楽曲、注目曲、ビデオ、Connectに配信された音楽、プレイリストを楽しむ事ができる。

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