「AppleMusic」は、本当に魅力的なサービスか 無料慣れした世代にとっては古くさい

拡大
縮小
WWDC2015の基調講演で、「ワンモアシング」として最後に発表されたApple Music。写真はアップルのティム・クックCEO

アップルが6月9日に開発者会議(WWDC2015)で発表した新しい音楽サービス「Apple Music」は、6月30日からスタートし、世界100カ国で展開される、定額制音楽サービスだ。米国では個人で月額9.99ドル、6人までの家族プランは月額14.99ドルだ。なお登録後3カ月は無料で利用できる。

例えば夫婦2人でiPhoneを使っているなら、家族プランを契約した方が月々5ドルずつ費用が浮く。また、夫婦が月に1枚ずつアルバムを買っていたとしたら、半額であらゆる音楽へのアクセスが可能になり、これまで「音楽を買っていた人たち」にとって、コストと自由さというメリットが大きいことが分かる。

iPhone、iPadはiOSの新バージョンであるiOS 8.4で、MacとWindowsではiTunesの最新版で、それぞれApple Musicにアクセスできる。また、アップルとしては異例の、Android向けApple Musicアプリを秋に準備している。

落ち込んだiTunes

アップルはiPodとiTunesで音楽ビジネスをデジタル化し、日本以外ではCDを葬り去ることに成功しつつある。しかしそのiTunesの売り上げも、2014年には前年比で13〜14%の落ち込みを見せている。世界のダウンロード販売も下落トレンドに入っているが、2〜3%程度に落ち込みだ。その比較でいうと、iTunesの落ち込みの大きさがうかがえる。

この苦戦ぶりは、アップルにとって看過できない事態だった。

次ページなぜiTunesの落ち込みが大きいのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT