激減した「サブウェイ」じわり復活している事情 意外と知られていない「パンへのこだわり」

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また、話題作りのためのジョークネタも積極的に投稿。例えば2023年のエイプリルフールには「宇宙人専用サンド」、2024年は「あなたの『いま食べたい』を“脳波”で瞬間カスタム」のニュースを発表している。

なんとなく、自虐ネタで有名な銚子電鉄や、際どいジョークネタで若者間での認知度を上げたバーガーキングを思わせる手法だ。

エイプリルフールには各社頑張っているが、加減が難しい。2024年はKFCが「チキン詰め放題」のニュースで謝罪する結果になってしまった。ブランドのカラーも踏まえて、許される嘘、効果的な嘘を見極めるバランス感覚が要求される。

テイクアウト需要・健康志向も追い風に

その点サブウェイは大バズりとまではいかないが、滑りもせず、ブランドの特徴も取り入れ、ファンにとっては微笑ましいジョークに収まっている。

以上のような改善策が、結果的に近年の店舗数増加や売り上げ増につながっている。

ただ、コロナ禍・物価高騰の社会背景も後押しをしているようだ。もともとイートインスペースが少なく、テイクアウトが主体のビジネスモデル。また野菜をたくさん食べられるということで、コロナ禍に高まったテイクアウト需要・健康志向にマッチした。

客単価は950円だが、サンドイッチ+ドリンクorポテトのセットで最低600円台前半からという手頃感も、利用しやすい印象を高めた。

「値上げも比較的抑えている。例えば、新商品のトリプルミートBMTは1992年上陸時のメニューのリバイバル。当時480円で販売していたが、今回550円で発売した」(土井氏)

サブウェイ
新商品のトリプルミートBMT(550円)。上陸当時のメニューだが、具材の厚さ、ドレッシングとの組み合わせなど、日本で一から開発。香り、食感、塩気具合などがそれぞれ異なる3種のミートの調和が楽しめる。なお、写真はポテトドリンクセット(Sサイズ+370円)だが、+220円のポテトセットを注文する人が多いそう(撮影:今井康一)
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