「91.4%起こらない」のに不安が消えない根深い訳 「心配ばかりで苦しい」を今すぐ取り除く方法

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そこで著者は本書において、「未来を手放し安心して生きる」ための方法を提案しているのだ。具体的には自信、関係、モノ、時間、お金、成長という6つのテーマごとに、「なにを、どのように解決するべきか」、その方法を明らかにしているのである。

ところで偉そうなことを書いてはいるが、じつをいうと私も、いままさに大きな不安の渦中にある。自分のミスを発端とした不安が、ずっしりと心にのしかかっているのである。

そこで、ここから先は、同じように不安を抱えた方々と歩調を合わせつつ、本書のなかから解決のためのヒントを探していきたい。

未来を心配するのは、もうやめよう

未来について心配するのは、無意味で愚かしいことだと著者は断じている。それはなんの利益も生まず、ただ自分の心を苦しめるだけのことなのだと。

そんなことは百も承知で、だから困っているわけだが、いずれにせよ「未来への不安はほぼ実現しない」という研究結果も出ているのだという。

2020年に、ペンシルバニア州立大学で実施された研究がそれだ。29人の参加者にそれぞれ10日間にわたり、心に浮かんだ心配ごとを記録してもらい、それらに根拠があるかどうかを調べたというのである。

結果、心配ごとのうち最も多かったのは「まったく根拠のない心配ごと」でした。さらに「なんらかの根拠がある心配ごと」についても、30日間にわたって追跡調査をしたところ、その91.4%は実際には起こりませんでした。(114ページより)

この結果からわかるのは、「私たちが日々心を悩ませている心配ごとは、かなり的外れで、ほとんど現実化しない」という「事実」だ。

心配ごとに取りつかれ不安の渦中にいるときは、それがとてもリアルに感じられるだろう。しかし、単に不安がそうさせているだけなのだ。

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